新たな980日目 

秋。つい物思いに耽っちゃう。だって、女の子なんだもん。こころは、風がそよげば震え、ススキの花穂ががさごそと音をたててると、落武者でもないのに怯える。ぼんやりとしているようで、頭の中は、ずっと一点を見詰めているの。お願い、誰も話しかけたりしないで。こうして紅葉が連れてきた日溜まりにいると、抱きしめられているようで、その優しさだけが有り難く、でも時間だけが過酷。ずっとずっと前から、ここにいるような気がするの。わたし、どうしちゃったのかしら。いけない、また、ため息をついてしまったわ。あら、バラチーニのコンツェルト ソナタが聴こえてきた。まだまだ、曲になってない。きっと鈴木の教本の8巻をやってるのよ。苦労してるみたい。わたしのため息のような音出さないで。学校から帰ってきたんだわ。もう少し練習して、きっとバイオリン教室に行くのよ。それまでの辛抱。あぁあ、こうして今日も暮れてゆく。わたし、何してたんだろう。わたし、何してるんだろう。枯れ葉が舞い出す前に、やっぱり誰か、話しかけてよ。

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