新たな651日目
「♬義理と人情を秤にかけりゃ 義理が重たい男の世界」・・・オレの健さんが逝った。「想い」に溢れたひとだったと聞く。昭和残侠伝シリーズが人気を博していた頃、映画館を出るときには、ほとんどの男性客は健さんになっていた。背中には唐獅子牡丹の彫り物があるような錯覚に陥っていた。1968年東大駒場祭のポスターで、まさに健さんさながらにさらしを巻き、背中に銀杏の彫り物をした男がこう云っている。「とめてくれるな おっかさん 背中のいちょうが泣いている 男東大どこへ行く」と。これは作家の橋本治氏が在学中に打ったあまりにも有名なコピーだが、このとき東大紛争の真っ直中だった。銀杏は云うまでもなく東大マークだ。あの安田講堂攻防戦を戦った全共闘を支えていたのは、マルクスでもレーニンでもなく、案外健さんだったのかも知れない。「唐獅子牡丹」で健さん扮する花田秀次郎は、浅ましく過酷な現実に負けまいと立ち向かう。「俺たちゃ、金や名誉や女が欲しくって生きているんじゃねえぜ」と吠える。センチメンタルとも思える一途なこだわりが若者を引き付けたのだろう。「♬おぼろ月でも 墨田の水に 昔ながらの 濁らぬ光 やがて夜明けの 来るそれまでは 意地でささえる夢ひとつ 背中で呼んでる 唐獅子牡丹」。ひとつの時代が終わった。健さんの映画をフラッシュバックさせながら、健さんは何を求めて生きたのだろうかと、その生き様を、いま、風に聞いている。健さんが心に刻んでいたという比叡山大阿闍梨・酒井雄哉氏の言葉「行く道は精進にして、忍びて終わり悔いなし」を、オレも握りしめていこうと思う。合掌。
この記事へのコメント
日本映画の大きな柱が逝かれましたね。。。
私は世代的に、八甲田山や幸せの黄色いハンカチくらいからしかタイムリーにはしらないですが。。。
網走番外地などはDVDで観ましたよ。
寂しいですね。
其の渋い表情、
何処か遠くを見つめた孤独な瞳!
耐えて忍んで弱音を吐かぬ!
男 器量は肚での勝負!
ジェイク君! 健さんの再来かも
素敵な方でした。。
世相と相俟って、健さん扮する男の生き様に共感したものです。
くまさぶろう君、うれしいことを云ってくれるじゃござんせんか。あれっ、鶴田浩二っぽかったかなぁ?
あれ以来、世の中健さん色
ですね~
晩年の役柄や生き様を思うと、山頭火の「何を求める風の中ゆく」という句が浮かんできます。
北海道でのロケも多かったので
あちらこちらのロケ跡地で献花台が
設置されてます
私は『南極物語』が好きで好きで
何度見たことか…でもまた見ます~
それだけ多くの人のこころに、入り込んでいたということですかね?
健さんには、やっぱり北の景色が似合いますよね。
健さんの映画は数本しか拝見していませんが・・・
最近のテレビで、健さんの特集を偉大さを改めて感じています~。
随分沢山の映画に出てたんですよね。驚きますね。
また一人映画人が逝ってしまいましたね
たくさんの映画に出演されてたようで
残念ですね
男は言葉じゃなくて、態度で語る。
多弁の武田鉄矢の存在がそれを際立たせてましたね。
また見てみようかな。
仰る通り、銀幕のスターと云う表現が相応しい。
映画がもっとも輝いていた時代に生きた役者でしたよね。
こういうことになって、色んなメイキング・エピソードが紹介されてますので、それを知ると改めてその映画を観てみたくなります。